切断加工の精度・品質

一般的に言われる切断及び整形における加工精度と加工限界についてみていきましょう。まずは、切断加工ですが、大きく2つに分けられます。それは、「レーザー加工」「タレットパンチプレス加工(NCT)」です。また最近多く加工機は、複合機と言い、レーザー加工とNCT加工の両方の加工ができるものも多くなっています。
レーザー加工ではできないタップ加工、バーリング成形やダボ(ハーフパンチ)成形、簡易的な絞りも一回の工程でできるためとても便利です。しかし、もちろんのことですが、レーザー加工とNCT加工は、全く同時にはできないので、形状などをよく考えて工程設計する必要があると言えます。

レーザー加工機

レーザー加工の能力

切断しやすい素材と切断しにくい素材につきましては、「素材について」をご覧下さい。板厚に関しては、加工機の能力によります。薄い板厚を切る微細レーザーから厚板も切れる出力の高いレーザー加工機まで様々あります。海内工業にあるレーザー加工機は、Amada LC1212 α IVです。この加工機で0.2mmの板厚から5mmのモノまで切断可能です。

レーザー加工の精度

切断はNC加工だからと言って細かい調整をしない工場もあるのかもしれませんが、その日の温度や湿度で加工条件が変わってきます。1/100台で最終の仕上がりを持っていくのであれば、抜き加工の時からの管理が必要になります。

レーザー加工機の加工限度

海内工業にあるレーザーの加工が基準になってしまうのであくまで参考にしかならないのかもしれませんが見ていきましょう。穴と穴の加工限度は、こちらは下記の図のようになります。

ブランクの端からの穴位置及び穴と穴の距離の加工限度

丸穴 板厚1.6mm 以下 1.0mm まで
板厚1.6mm 以上 1.5mm 以上
板厚4.0mm 以上 条件が変わってきますので、一度御確認ください

NCT加工

NCT加工は、金型の必要な加工になりますので、細かい加工になりますとそれに合わせた金型が必要になってきます。また打ち抜きによる切断加工になりますので、それによる歪みなども発生してきます。よって下記のような加工限界が一般的な数値になります。

ブランクの端からの穴位置及び穴と穴の距離の加工限度

端面からの最低距離

丸穴 板厚 必要最低距離
1.6mm 以上 板厚の2倍
1.6mm 未満 3.1mm
角穴 1.6mm 以上 4.6mm

バーリングの最小ピッチ

一般的なNCT加工の参照寸法値です。これ以下の間隔で加工を希望の場合は手加工や金型の製作等での加工になります。加工不可ではありませんが、コストはあがります。一度加工先に相談しましょう。

L≧3t
但し、最小3
(Bダボは除く)
B≧3t
但し、最小3

ダボの最小ピッチ

一般的なNCT加工の参照寸法値です。これ以下の間隔で加工を希望の場合は手加工や金型の製作等での加工になります。加工不可ではありませんが、コストはあがります。一度加工先に相談しましょう。

B≧3t
但し、最小3.1
(Bダボは除く)
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