部品サイズ

部品サイズについてですが、大きいものになればなるほど、材料費がかかり価格は高くなります。これは、当たり前といえば、当たり前です。では、どのような大きさが変わると高くなるのか見てみましょう。

まず、「素材について」でも書きましたが、定尺サイズについての考え方が必要です。一番多く使われるのが3×6(914mm×1,829mm)です。展開時にこのサイズを超えてしまうような場合は、サイズの大きい板になってしまいます。4×8(1,219mm×2,438mm) 5×10(1,524mm×3,048mm)このサイズの板は、通常扱っていない会社になりますと、材料をまとめて購入できなので、材料費がかなり高くなることがあります。

歩留りその1

サイズで一番大事なことは、「歩留り」を考慮した板金設計です。例えば、下図のような加工例を見てみましょう。200×200×200のコの字の部品を製作するとします。この場合の展開図は下記になります。奥行きは300です。

使用する材料は、SECCの板厚1.0×914×1829です。そうなると上記のような材料取りになります。
白の枠分が残りです。(白枠の残りは、不要に見えますが、加工機のクランプのくわえシロとして必ず必要になります。このくわえシロは、ほとんどの加工機に必要になりますので、考慮した方が良いでしょう。)
 
593.2×3=1779.6 300 ×3=900
 
1枚の定尺から9個の部品取りができることになります。
仮にSECCの板厚1.0×914×1829の1枚の単価が2,500円とすると
 
2500÷9=277.7777≒278
 
部品1個あたりの材料費は、278円ということになります。

歩留りその2

次に200×250×200(奥行きは300)のコの字の部品の場合です。例えば、下図のような加工例を見てみましょう。この場合の展開図は下記になります。

この部品サイズになりますと先ほどの材料の取り方をすると上記のような形になってしまいます。
すると定尺サイズから、はみ出すことになります。

この場合は、2つ目の図のような材料取りになります。この形ですと定尺1枚から、6枚しか部品が取れないことになります。よってこの場合の材料費は、
 
2500÷6=416.666・・・≒417
 
417円となります。もし、先ほどの部品の取り数と同じ数量が必要な場合は、定尺1.5枚の材料が必要になることになります。量産の際は、材料の購入の際に、切り板などを購入することで歩留りを良くするということはできます。しかし、試作・開発の部品や少数単発ロットの生産部品の場合は、歩留りのことを考慮した板金設計、生産数量の検討が必要と言えます。

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