鉄(Steel)

比重約7.9

安価で比較的加工しやすく、入手しやすい金属であるため、一番身近な金属になります。鉄は、添加する炭素の量を変えたり、熱処理をすることにより、強さ、硬さ、性質を調整することができるのでとても便利な素材と言えます。鉄には、錆びやすいという欠点がありますが、塗装やメッキなどの表面処理でカバーできます。

しかし、一言、耐食性が必要と言っても、塗装、メッキ、処理鋼板、またステンレスと選択の幅が広くあると言えます。どこまでの耐食性が必要なのか?これを明確にできれば、最適な材料の選択ができると言えます。海内工業で製作している精密板金部品は主に機械の内部部品を製作していますが、処理鋼板、ボンデ鋼板などと呼ばれるSECC(電気亜鉛メッキ鋼板)を多く使用しています。

鉄にも、強度に優れた高耐候性圧延鋼(SPA)や高張力鋼(SHT)などの特殊材料がありますが、一般的な流通が少ないため少量では手に入りにくく、納期もコストもかかってしまう可能性が高くなります。このような場合は、強度が必要であればステンレスを使用した方が良いのかもしれません。

JIS
記号
引張強さ
N/mm2
定尺サイズ 磁性 市場性 特徴・用途
SPCC ミガキ材
(冷間圧延鋼板)
270 3×6
4×8
5×10
  • 冷間圧延
  • 表面をきれいに仕上げてある鋼板で板厚の精度も良好。
  • 安価で手に入り、加工性が良好。塗装、溶接にも適している。
SPHC 酸洗材
(熱間圧延鋼板)
270 3×6
4×8
5×10
  • 熱間圧延のため表面に酸化物が付着しているため一般的に黒皮と呼ばれることが多い
  • 黒くなっていない物は、SPHC-P…酸洗材と言い表面の黒皮を酸で除去してある
SECC クロムフリー処理鋼板 270 3×6
4×8
5×10
  • 表面に電気亜鉛メッキを施した鋼板
  • 現在は環境対応でクロムフリー材が多く使われています。
SGCC 溶融亜鉛メッキ鋼板 270 3×6
4×8
5×10
  • 亜鉛メッキ加工された鋼板 
  • ブリキに比べて錆が生じにくい 

鉄の定尺サイズについて

一般的に鉄に定尺サイズは、表にあるように、3×6(サブロク)、4×8(シハチ)、5×10(ゴトウ)と呼びます。それぞれ3×6(914mm×1,829mm) 4×8(1,219mm×2,438mm) 5×10(1,524mm×3,048mm)となります。ゴトウサイズになりますと加工機に乗らない場合もありますので、大きなものを作る際は、加工先に確認が必要になるでしょう。

定尺サイズ mm 呼び名
3×6 914mm×1,829mm サブロク
4×8 1,219mm×2,438mm シハチ
5×10 1,524mm×3,048mm ゴトウ

 

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