素材別の加工性

切断

素材によっては、レーザー加工で切断しにくいものがあります。例えば、アルミ(特に純アルミ)、純銅、銅合金、マグネシウムなどです。反射率の高い材質の多くは、レーザー加工ではなく、タレットパンチングでの切断を選択されることが多いです。また、細かい形状がある時は、ワイヤーカットやエッチングでの加工になる場合がありコストがかかる可能性があります。
また、0.1ミリの薄板を切る場合と12ミリの厚板を切る場合では、もちろんレーザー加工機の必要とする機能が変わってきます。薄板を使用する場合や厚板を使用する場合は、加工先のレーザーの機能を事前に確認する必要があると言えます。
マグネシウムのレーザー切断は、研究されているようですが、まだ確立はされていないようです。
もうひとつレーザー切断に関してですが、切断はできても、切断面の仕上がりにバラつきが出てしまうことがあります。上に書いたように反射率の高い材質に関しては、一般的にレーザーの調整が難しくなりますので、端面の仕上がりについて注文段階で打ち合わせしておく必要があると言えす。

曲げ

曲げ加工の難しい素材と言えば、バネ材になると思います。文字通りバネのような素材になりますので、スプリングバックがとても強くなっています。スプリングバックが強くなっているので、その分の戻り量を考えて加圧をしなければいけません。バネ材の使われる用途として接点などがありますが、このような部品の形状は、角度曲げの連続になっていたり、細かい形状になっていることが多くあり、シビアな角度と寸法の精度が要求されます。
海内工業で扱うことの多いのは、ステンレスバネ材は、SUS304 –CSP、リン青銅バネ材は、C5210 になります。SUS301や630も扱うことはありますが、スプリングバックがさらに強くなる素材のため、加工が難しくなり、加工費があがります。

溶接

溶接は、溶接のみしかやらない工場もあるように大変特殊工程になります。素材別に言いますと板厚で言うと、薄い板厚の溶接も難しいですが、厚い板厚のものも歪の修正や強度を増すための、カイサキ作業など、手間がかかります。また、外観品などで表面の美観が必要なミガキやヘアラインなどのものは、加工の際に慎重になることや他の面と合わせながらの仕上げ作業があるため普通の溶接の仕上げよりも時間がかかります。スポット溶接は、異種材の組み合わせの溶接も可能な組み合わせはありますが、リサイクル法の関係もあるのであまりおすすめしません。スポット溶接機の種類により、溶接可能な素材の種類が変わりますので、スポット溶接で考えておられる場合は事前に加工先に問い合わせしておくのが良いでしょう。
ちなみに下記が海内工業の加工可能な素材です。

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