アルミニウム(AL)

比重約2.7
アルミニウムは金属の中では軽量であるために利用しやすく、また、軟らかくて展性も高いなど加工し易い性質を持っています。さらに表面にできる酸化皮膜のためにイオン化傾向が大きい割には耐食性もあります。軽量化が求められる昨今、多くの分野で使用されている材料ですが、SPCCと比べると価格は5倍近くになります。アルミニウムは、大抵の場合、「合金」として利用され、JIS規格の分類表示は、アルミニウムのAのあとの4ケタで合金グループ、改良形、識別を表します。板金で扱う材料として、代表的なものは、A5052やA1050になります。材質によってはレーザーで加工できないものもありますので、細かい部品などは事前に加工先に確認が必要と言えます。

JIS記号 引張強さ
N/mm2
定尺サイズ(mm) 磁性 市場性 特徴・用途
A1050P アルミ 100 1000×
2000
高純度のアルミニウムで、導電率、熱伝導度および光反射率が高く成型性、表面処理性に優れ、耐食性はアルミニウム合金の中でも最良。強度は低い。光反射率が高いためレーザーでの加工は不可。
A5052P 耐食アルミ 255 1000×
2000
板金で加工するアルミの代表になります。耐食性に優れ、溶接、成形性も良好。疲労強度も比較的に高い。

合金

アルミニウムは、大抵の場合、「合金」として利用され、JIS規格の分類表示は、アルミニウムのAのあとの4ケタで合金グループ、改良形、識別を表します。板金で扱うのは、上のような、A1000 系、A5000 系になります。

合金名 特色と代表的な材質記号
1000系純アルミ系 1100:純度が高く、高純度アルミニウムとほぼ同様の特性を持ち、強度もやや高い。
2000系AL-CU系 2017:ジュラルミン 加工性も良く強度も大2024:超ジュラルミン
3000系AL-Mn系 3003:1100よりも強度が高く、溶接性、成型加工性に優れる
4000系AL-Si系 鍛造性が高い、建築パネルなど
5000系AL-Mg系 5052:成型加工性、溶接性良好。最も代表的な合金。
6000系AL-Mg-Si系 6063:代表的な押し出し用合金
7000系AL-Zn-Mg系 7075:アルミニウム合金中最高の強度を有する。いわゆる超々ジュラルミン

アルミニウムの表面処理

アルミニウムおよびアルミニウム合金の表面処理として、最も広く用いられているのはアルマイト処理になります。保護皮膜、装飾皮膜、塗装下地、電気や熱の絶縁を目的とします。

アルマイト処理

アルミは空気中にさらすと、表面に薄い酸化皮膜をつくります。この皮膜はアルミの表面を保護し、腐食を防ぐ働きをします。この皮膜を人工的に厚くしたものがアルマイト(陽極酸化皮膜)です。アルマイトは、アルミそのものの表面を酸化させたもので、メッキのように異種の金属を付着させたものとは違うものになります。

アルミニウムの定尺サイズについて

基本的に「メーター板(ばん)」と呼ばれるサイズになります。それ以上大きいサイズになりますと鉄などと同じでシハチ(4×8)になります。シハチのサイズになりますと在庫として扱っている鋼材屋さんも多くはないと思われますので、ステンレスやアルミの大きなサイズの設計をする際は事前に加工先に情報を流しておいた方が良いと思われます。

定尺サイズ 寸法(mm) 呼び名
1×2 1000mm×2000mm メーター板
4×8 1,219mm×2,438mm シハチ
5×10 1,524mm×3,048mm ゴトウ
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