ステンレス・バネ材(CSP、SUSバネ材)
薄板精密板金の加工材料としてよく利用されるステンレスのバネ材について材質表記の後には、バネの硬さを表す記号の1/2H 3/4H H等が後ろにつきます。バネ材は、普通のステンレス鋼よりも、スプリングバックが大きいため曲げ加工の難易度が一般的に高くなります。バネ用ステンレスは基本的に320×1000で売られており、長手方向が延性方向(ロール目)になっています。このロール目に曲げ加工の際、注意しなければいけません。SUS304-CSPの話になってしまいますが、海内工業では、両方向に曲げのある際は、1/2Hを使用しています。それ以上硬いものを使う際は、ブランクを斜めに(45°方向に)加工します。もちろん材料取りは悪くなり価格はあがります。
海内工業では、ステンレスはもちろんのことリン青銅バネ材など各種バネ材の加工ノウハウがあります。他社で加工不可と言われたものでもお役に立てる可能性がありますので、一度御相談ください。
JIS記号 | 引張強さ N/mm2 |
定尺サイズ mm |
磁性 | 市場性 | 特徴・用途 | |
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SUS304CSP | ステンレスバネ材 | 1128(H) | 320×1000 | 無 | 〇 | 一般的なバネ材 |
SUS301CSP | ステンレスバネ材 | 1324(H) | 320×1000 | 無 | △ | 304よりも硬度がいる場合に使用 |
SUS631CSP | ステンレスバネ材 | 1422(H) | 320×1000 | 無 | △ | 析出硬化系 ALの添加で析出硬化性を持たせた |
※厚さ0.3㍉未満のものは、引張試験を行わない。
ロール目について
板材には、材料を作る際に圧延方向というものがあります。一般的に「ロール目」と呼ばれるものです。ロール目に対して直角に曲げると割れが発生する場合があります。特にバネ材などの硬い材料に発生しますので、そのような材料を使用する際は、製品の形状や大きさに気をつけましょう。
ロール目は、このように圧延方向に伸びます。
例えば「コの字」の部品を作る場合、展開図は左のようになります。
ロール目を考慮しないと、割れの原因になります。